コーヒーを愛する皆さんは、普段どんなコーヒーカップを使っていますか?
今回も、気になるあの人のお気に入りのコーヒーカップや、コーヒーにまつわるエピソードをご紹介させていただきます。
第3回目は、ホワイトコーヒーのアートディレクションだけではなく、ロゴやパッケージのデザインもしてくださっている、アートディレクターの山口 藍さんにオンラインでお話を伺いました。
いまでは手放せない存在
——いま何か飲まれていましたけど、もしかしてコーヒーですか?
山口さん
コーヒーです!
——さすがです!ではコーヒーは結構飲まれるんですか?
山口さん
飲みます。1日2回はドリップしたり、友達にもらったインスタントを飲んだり、ホワイトコーヒーも飲んでます!
家にストックがいろいろあるのですが、たまに外に買いに行ったりもします。コンビニコーヒーも楽しんでいます。
今となってはコーヒーを結構飲むのですが、ブラックが飲めるようになったのは本当に最近で、それまではコーヒーはほとんど飲んでこなかったんです。飲んだとしてもカフェラテか、ほとんどお湯みたいなアメリカンくらいでした笑
——え!?そうだったんですね。何かきっかけがあったのですか?
山口さん
コロナ禍を経て、家で仕事をすることが多くなったのですが、少しでも目を覚ましたくて。
家だと誘惑がいっぱいだし、眠くなっちゃうんですよ。なので、コーヒーの力を借りてみたんです。もう本当に手放せない。
でも、まだ自分で淹れるのがそんなに上手くないから、ちょっと美味しいのを飲みたいなと思って外に買いに行ったり。外だと、カフェラテを飲むことが多いかも。なので、今年はマキネッタを買って、家でカフェラテを作ろうかな〜というのが目標です。
コーヒーの香りと過ごした幼少期
——着実にステップアップしてますね!ところで以前、金安さんのインタビューに同席していただいた時に、ご実家が喫茶店だったというお話があったと思うのですが、その辺を教えていただいてもいいですか?
山口さん
そうなんです。実は実家が喫茶店でした。祖父が日本橋で自家焙煎の喫茶店を始めて、父が引き継いで、別の場所でジャズ喫茶になりました。今はもう閉めちゃったんですけど。
だから、小さい時から焙煎している所をよく見せてもらいました。焙煎している時の匂いが好きで。なので、今も昔もコーヒーの香りは大好きです。
こんなにコーヒーが身近だったんですが、当時は苦くて飲めなかったんですよね笑
——今でこそ、自家焙煎の喫茶店やカフェを良く見かけますが、当時としては珍しかったんじゃないですか?
山口さん
そうなのかもしれません。詳しいことはあまり分かりませんが笑
ただコーヒーには、とにかくこだわっていました。ネルドリップでコーヒーを出していたんですが、かっぱ橋まで生地を買いに行っては、手縫いで作っていました。コーヒーをおいしくするために、生地も大事にしていたことを思い出すと、今でもすごいなーって。
——本当ですね。その後、ジャズ喫茶に変わったということですが、もしかして音響にもこだわっていたり??
山口さん
そうなんです!マッキントッシュというメーカーのスピーカーを特注で作ってて、低音、中音、高音用のスピーカーがパートごと積み上がっていたんですが、もう天井に届きそうなくらい大きくて。
2万枚以上のレコードが揃っていましたし、レコードプレイヤーも、マニアの方が見るとびっくりするようなものだったみたいです。
時々、ジャズの生演奏も聞けるような、とにかく父のこだわりの場所でした。
——そうだったんですね。お爺さん、お父さんのこだわりの強さを、山口さんもしっかり受け継いでいるから、素敵なデザインができるんだろうなと勝手に納得してしまいました。
山口さん
どうなんでしょう笑
ただ、父と出かける時は100%レコード屋さんでしたし、家族でお出かけする時もほとんどライブハウスでした。動物園とか遊園地に行くみたいなことはなく、かなり偏ってたかもしれません。
今まで実家が喫茶店という人には会ったことがなかったですし、結構特殊な環境だったんだなって。父の見た目も、ロン毛にパーマで、Theマスター!って感じでしたし。
偏りすぎず愛せる存在に
——そんな幼少時代を過ごした山口さんに、今こうしてホワイトコーヒーのデザインしてもらえていることが、何か特別なご縁だと思えてきました。では、そのホワイトコーヒーのデザインにおいての、ポイントなどを教えていただいてもいいですか?
山口さん
ホワイトコーヒーは、余計な情報なしでコーヒーを飲むというコンセプトなので、デザインをやり過ぎて、余計な情報が入らないように気をつけました。赤や黄色などを入れれば、なんとなく分かりやすく、見やすくなるのですが、白黒だけを使って表現できるようにしています。
男性っぽくも、女性っぽくもしすぎず、大人っぽくも、なんならセンス良すぎたりもせずみたいに、本当に何かに偏りすぎないようにって。
なので、診断キットのパッケージには、できるだけ色を入れず、とにかく白い箱にしました。でもロゴはちゃんと見せたくて、箔押しにスミ3%だけ入れています。ロゴも同様に何かに偏ることなく、違和感を感じさせず、自然にすっと入ってくるようなロゴにしたくて。
——すごい。そんな細かいこだわりがあったんですね。改めて聞けて、なんか嬉しいです。だいぶ時間が経ってしまいましたが、、、笑
山口さん
やっぱり、実際に手に取ってもらった時に、愛せる感じ。あー、可愛いやつだなみたいな笑
そんな愛せるような存在になって欲しいなと思っています。
ただ、ニュートラルなものにしちゃうと、心に残らず過ぎ去ってしまうものになってしまう。なので、そこはイラストの力を借りました。おかげで、なんかちょっと手が止まるというか、心に残るような引っかかりを作れたと思います。
私が考えるよりずっと素敵なイラストを、金安さんが書きあげてくれて。手書きの文字もあんなに可愛くなると思っていなかったし。金安さんにお願いできて良かったです。
——山口さんに、金安さんをご紹介していただけて良かったです!
山口さん
本当に良かった。今改めてみても、いいデザインだなと。好きなデザインをさせてもらって、いい機会をもらえて本当に良かったです。
——こちらこそです!そして昨年ホワイトコーヒーがリニューアルする際に、ずーっと一緒に好み拡張を楽しんでいただいていたお客様への感謝のお手紙も個人的に印象的でした。
山口さん
あれですね。
——皆さんがホワイトコーヒーで過ごしたデータを、どうやって届けるのか?全てを解消してくれる山口さんのデザインが、私たちへの優しさも感じてとても嬉しかったです笑
山口さん
やっぱり情報量が多かったので、どうすれば読みやすく、飽きずに見てもらえるかなって考えて。そういう時に助けになるのは、やっぱり可愛いイラストで。大きめに配置しました。
でもきっちり並べるんじゃなくて、大小の差をつけて不規則に配置することで、目で追いかけるのが楽しくなるようにって。なんかちょっと面白そうだな、読んで見ようかなって気にさせたくて。
あとは、いちいち製本までしなくても、折るだけで素敵にしたくて、いくつか考えてあの形に落ち着きました。
ホワイトコーヒーのみなさんにも、よろこんでいただけて良かったです笑
実用性と思い出を大切に
——本当に感謝です。それでは、そろそろお気に入りのコーヒーカップについて、教えていただいてもよろしいですか?
山口さん
今まさに使っているんですが、いつもこのKINTOのタンブラーを使っています。5年以上も。
暖かいのを飲む時は、なかなか冷めないですし、熱くても持てる。冷たいのを飲む時は、入れた氷が全然溶けずに、冷たいままで。すごくないですか?笑
タンブラーの割には小ぶりなんですが、マグカップよりは大きいので、いっぱい飲みたいときでも、ちょっとだけ飲みたい時でも、めちゃめちゃ使ってます。物をあまり増やしたくないので、これ一つで何にでも使えるから、すごく良くて。
マットでざらっとした質感も色味もいいし、蓋も付くから便利だし。
——確かにすごい便利。みなさんの選ぶものが、本当に個性的で面白いですね。まだ3人目ですが笑
山口さん
面白いですね!
9割くらいはこのタンブラーを使ってるのですが、たまに変えたい時は、以前LAで買ったマグカップか、喫茶店のカップを使っています。
——どちらの喫茶店のカップですか?
山口さん
実家です。これはウィンナーコーヒーを入れる時に使っていたものなんですけど、普通のコーヒーカップより、ぽってりとしてて。たまに実家を思い出しながら使ってます。
一度来てもらいたかったです。カレーも美味しかったんですよ。
基準ができたことで広がる楽しみ
——えー!カレー大好きなんですよ〜、今日のお昼も食べましたし笑
山口さん
食べてる〜笑
——それでは最後に、これからホワイトコーヒーをやってみたいなと思っている方に、メッセージをいただけると嬉しいです。
山口さん
私の体験談なのですが、これまでコーヒーには何とも言えない苦手意識がありました。うまく言語化できなくて、選ぶ基準を作れなかったのですが、ホワイトコーヒーの好み診断をやってみて、自分の好みを言語化してもらえて。好きな方向性を教えてもらって、コーヒーを選びやすくなったし、選ぶことが楽しくなりました。
——しかも、今ではコーヒーが飲めるようになりました。
山口さん
はい。実家のコーヒーも最後まで飲めないくらいだったんですが、今ではちゃんと飲めるようになって。
好み診断だけでも、自分にとって価値ある体験だったんですが、定期便もおすすめです。同封のショートストーリーが面白いし、箱に書いてある手書きのイラストも本当に嬉しい。毎月お手紙をもらっている感じがして、暖かさを感じます。
——山口さん、300点です!涙
山口さん、貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました!
素敵なコーヒーとの思い出を大切にしつつ、これからの新しいコーヒーとの出会いも楽しんでいただきたいです。
次回はどなたが出演していただけるのでしょうか?
どうぞお楽しみに〜
山口 藍 / Ai Yamaguchi
アートディレクター、デザイナーとして、広告を中心に活動しつつ、ホワイトコーヒーのデザインを確立
これまでのインタビューはこちらから
山口さんが愛用するコーヒーカップとコーヒーのお話をしてみました。