コーヒーを愛する皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
「WHITE COFFEE 定期便」と一緒にお届けしている、ショートストーリー【私とコーヒーの物語】のご紹介です。
今回は、二十二杯目「大福」です。
ちょっとだけ他のことを忘れて、ほんのりくつろぎながら読んでいただけたら嬉しいです!
二十二杯目「大福」
父は大福に目がない。
普段はもちろんのこと、外遊びには必ず大福とコーヒーを持参する。
在職中は仕事人間で、退職した今では山登りに川釣り、野菜作りに地域の仕事にと、イキイキとしている父を見ると自分も負けていられないなと感じる。
そんな父は、孫ができると、遊びの先生となり大活躍。
元気でユニークなじいじを孫は慕い、嫁までが頼りにする。
そんなある日、「パパひどい!なお、すっごく楽しみにしてたのに!!」と、父にそっくりな眉毛の次女を怒らせてしまった…。
「怒らないでー。パパの可愛い大福ちゃん。」と、言うと、更に怒った我が子。
原因は、仕事で夏休みの帰省が難しくなったことであった。
「あ!パパなしで、じいじの家に行けばいいんじゃない?」と、上の娘が言うと、「いいねえ!!」と、いつも喧嘩ばかりの二人が仲良く計画を練り始めた。
「ねー、ママお願い。リサもちゃんとお手伝いするし、なおの面倒もみるから。宿題も終わらせる!」
「うーーーん。…とりあえずじいじ達に聞いてみたら?」
ダメ元で聞くと、受け入れる側のじいじとばあばは快諾し、あっという間に自分の留守番が確定した。
夏休みに入り、お留守番が始まり早くも一週間が経った。
毎日送られてくる写真を見るたびに、寂しさは募る一方だった。
そして翌日。「てへ。帰ってきちゃった〜。」と、実家のドアを開けた。
「えー!!パパ、仕事でしょーーー?」と騒ぐ娘達。
「…仕事はいいのか?」と、元仕事人間の父からの軽蔑の眼差し。
母と嫁からの冷ややかな視線…。
「じゃーん!!大福買ってきました!!仕事は殆ど終わったから大丈夫。残りはこっちでやろうと思って。」
「お!大福!!…そうか。じゃあ、大丈夫かあ。お茶にすっか。」
「…まったく。似たもの親子なんだから。」と、母。
コーヒーが出され、楽しそうに、満足そうに大福を食べる父。
「あ…歯…。なおの歯…抜けた!!」
一同大爆笑。
父さん、ありがとう。
これからも一緒に、何個でも何度でも、飽きるくらい大福を食べようね。
大福で歯が抜ける奇跡!😆最高ですね!!
和菓子とコーヒーって、和と洋なのに不思議と相性がいいんですよね〜…。
今の季節だと、焼き芋とカフェオレの組み合わせが自分としてはベストです✨
少しずつ寒い日も増えてきました。
皆様にホッとする瞬間をお届けできますように☺️
今後とも「WHITE COFFEE 定期便」をよろしくお願いいたします☕️
前回のショートストーリーはこちらから



WHITE COFFEE 定期便 2025年6月号でお届けした、ショートストーリー【私とコーヒーの物語】 をぜひお楽しみください!