
コーヒーを愛する皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
「WHITE COFFEE 定期便」と一緒にお届けしている、ショートストーリー【私とコーヒーの物語】のご紹介です。
今回は、十九杯目「ホワイトデー」です。
ちょっとだけ他のことを忘れて、ほんのりくつろぎながら読んでいただけたら嬉しいです!
十九杯目「ホワイトデー」
あー…やっちゃったなぁ…調子にのりすぎた…。
だって、可愛すぎでしょ。
毎年恒例のバレンタインデー。
その日を楽しみにしていた。
学校の席替えでユイが前に座り、いつの間にか目が離せなくなっていった。
何とか距離を縮めたくって声をかけたあの日。
ただの〝後ろの席のヤス〟から、せめて友達くらいになりたかったんだ。
あれから3年。願っていたとおり、男友達になれたはずなのに、どんどん、どんどん苦しくなっていった。
もっとユイのことが知りたい。もっとユイと同じ時を過ごしたい。もっとユイに…触れたい。
欲望が溢れ出し、おかしくなりそうだった。
あー…ホワイトデーどうすっかなー…。なんて伝えたらいいんだろ…。
答えが出ないうちに、ホワイトデーはやってきて、いつも通り公園に来たユイは、いつも以上に可愛かった。
とっておきのチョコと、コーヒー。ユイにずっとあげたかった、カカオを使った香水も用意した。
ユイが「ねえ、ヤス。チョコ食べさせてよ。」と、言ってきた。
イタズラっぽく、あの時のような不安気な様子は全く見せず…。
少し戸惑いながらもチョコレートをユイの口元に運ぶと、手首をぎゅっと掴まれ、ユイはチョコを、指を、軽く噛んできた。
指に舌先が触れた瞬間、鼓動が高鳴り、まるで嵐の中にいるかのように心が乱れた。
…やられた。抗えるはずがないんだ…。
何度も何度も訪れた淡く、柔い、熱を帯びた喜びと痛み。
その瞬間、僕は掴まれていない方の手でユイの頬に触れた。
「好きだ。」
言葉が、想いが、口から勝手にこぼれた時、もう迷いはなかった。
「もっと、食べてよ。」
そう俺が言うと、ユイはまたあの時と同じように桜色に頬を染め、焦りを悟られないようにと、コーヒーを口に運んだ。
「…美味しい。」
そう言ったユイが可愛くって、愛おしくって、こんなに近くにいるのに、もっと、もっと近くに…って、胸が締め付けられたんだ。
ぎゃーーーー!!!そうきたかあ!と、またまた興奮してしまいました笑。
〝後ろの席のヤス〟君の、一途な想いが実って、本当に良かった😂!
ホッとしたら、なんだか無性にコーヒーが恋しくなってしまいました…。
コーヒーで乾杯したい気分です☕️
ではでは…今後とも「WHITE COFFEE 定期便」をよろしくお願いいたします☕️
前回のショートストーリーはこちらから


WHITE COFFEE 定期便 2025年3月号でお届けした、ショートストーリー【私とコーヒーの物語】 をぜひお楽しみください!