
コーヒーを愛する皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
「WHITE COFFEE 定期便」と一緒にお届けしている、ショートストーリー【私とコーヒーの物語】のご紹介です。
今回は、十三杯目「雷」です。
ちょっとだけ他のことを忘れて、ほんのりくつろぎながら読んでいただけたら嬉しいです!
十三杯目「雷」
いゃ〜ん!こわーーーーい!!
まゆちゃん、だずげでーーー!!ぎゃーーーー
我が家の父は、雷が鳴ると大騒ぎ。
その姿に、娘である私は呆れながらも笑ってしまい、母は全く動じず、コーヒーを淹れる。
「ねえ、ママ。あんなパパでいいの?」
それを聞いて、母は静かに笑った。
「パパはね、昔は雷を怖がらなかったんだよ。
まゆがね、もの凄く雷を怖がるようになった時期があったの。
そしたら、パパったら、
きゃーーーー!まゆちゃん助けて〜って。
そしたらね、まゆったら
『パパ、ダイジョウブよ。マユチャンガ、イルデショ。カミナリさん、マユがヤッツケタゲル!』
って。それから、毎回同じような感じ。
気がついたら、マユは雷を怖がらなくなって、
それでもね、パパは雷を怖がるの。おかしいよね〜。
でもね、ママはそんなパパの気持ち、なんとなく愛おしいなって思うの。
パパを守ろうと、自分も怖いのに涙目で戦おうとするマユがまた愛らしくってねー。
あー、幸せだなーって…うわあ!今、すんごい光った!」
その瞬間、
「きゃーーーー!目がああああ!!目が!!
カミナリさんにとられたあ!!」
「取られてないし!!」と、笑う私と母。
私は笑いながら、父にそっとサングラスを渡した。
それは、小さい頃お気に入りだった星型のサングラス。父は満面の笑みでかける。
「パパのお誕生日プレゼントはサングラスに決まりだね。」と、ママと笑いながら話し、母はコーヒーを父に渡す。
「ありがと〜」と、これまた嬉しそうな父。
それ以降は、父の姿に笑い転げ、気がつくと父は雷を怖がる事を忘れていた。
ここに留まりたい…あなた達の可愛いマユちゃんでいたい…
そう願っても、時は変わる事なく過ぎ去っていってしまう。
せめてこの瞬間を忘れないよにと、心に、脳に、何度も何度も2人の笑顔を焼き付けた。
星型のサングラス、とても懐かしい!そして、今回のショートストーリー中では、とてもいい味を出していて思わず笑ってしまいました。日々のさりげない笑いが、人生の糧になったりすんだよな〜…と、ほっこりと、元気をもらえたような気がします☺️
皆様の元にも、少しでも笑顔がお届けできますように✨
ではでは…今後とも「WHITE COFFEE 定期便」をよろしくお願いいたします☕️
前回のショートストーリーはこちらから


WHITE COFFEE 定期便 2024年9月号でお届けした、ショートストーリー【私とコーヒーの物語】 をぜひお楽しみください!