【私とコーヒーの物語】 十二杯目「金魚の恋」 | WHITE COFFEE(ホワイトコーヒー)

ホワイトコーヒー的なコーヒーの愛し方を語らせてください🥰
2025/04/24

【私とコーヒーの物語】 十二杯目「金魚の恋」

WHITE COFFEE 定期便 2024年8月号でお届けした、ショートストーリー【私とコーヒーの物語】 をぜひお楽しみください!

コーヒーを愛する皆さま、いかがお過ごしでしょうか?

「WHITE COFFEE 定期便」と一緒にお届けしている、ショートストーリー【私とコーヒーの物語】のご紹介です。

今回は、十二杯目「金魚の恋」です。
ちょっとだけ他のことを忘れて、ほんのりくつろぎながら読んでいただけたら嬉しいです!

 

十二杯目「金魚の恋」

 

 

私は恋をしている。相手は水槽の外の彼。

 

 

彼は、私を眺めながらコーヒーをのむ時を大切にしてくれていた。

私の泳ぐ姿を、美しいと、言う。踊っているようだと。その度に、もっと見てほしいと願う。

その声を聞きたくて、私はヒレを揺らし、肌がもっと鮮やかな赤になることを願った。

 

 

寂しくなんてなかった。

 

 

ある日、彼にやたらとくっつく人間が部屋にやってきた。

その日から、彼との2人っきりの時間は少しずつ減り、彼がコーヒーを飲みながら見つめる相手は私ではなくなった。

 

 

ねえ、こっちを見て…

 

 

「金魚ちゃん可哀想だから、はい、パートナー。」

夏祭りですくってきたという金魚。彼に渡すのをみて、身が燃えるように感じた。

 

 

「え?入れないよ。」

「え??」

「この子は1人で完璧なんだよ。」

「でも、寂しそうじゃない?」

「いや、全然。病気になったら嫌だし。」

「えーーー?でも、あっ君だって1人は嫌でしょ?」

「…1人?うーん…嫌…ではないな。そもそも1人ではなかったし。」

「え??」

そこからの展開は早く、連れてこられた金魚と一緒に彼女は帰っていった。

 

 

彼はコーヒーを淹れ、以前のように目の前に座る。

「ったく。よくおばあちゃんが言ってたんだよ。

 あっ君の〝宝物〟を、

 大事に大事にしてくれる子を見つけるんだよ。って。

 …うん。やっぱり完璧だ。」

 

 

夏の夕日が、部屋を照らす。なんて綺麗で、完璧な一瞬。

もう十分だ。何も悔いはない。この恋は間違いなくハッピーエンドだもの。

 

 

ねえ、あっ君。どうか目を逸らさないで。

私は踊る。あなたの視線を独り占めしたくって、舞い続ける。

この身を赤く染め、1秒でも長く、あなたの傍で生きる事を願って。

 

 

 

なんて切ないんだろう…ハッピーエンドなのに、何でこんなにも胸が締め付けられるのだろう…と、届いた原稿を読みながら、我が家で飼っている金魚を見つめてしまいました。…まさか、君たちも僕に恋を?と、一瞬考えましたが、『エサちょーだい!』『水槽の掃除してよー。』くらいしか想像できず😅自分には文才が無いことを、改めて痛感いたしました。

皆様のコーヒータイムが、優しく温かなものでありますように✨

今後とも「WHITE COFFEE 定期便」をよろしくお願いいたします☕️

 

前回のショートストーリーはこちらから

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さまのコーヒーライフが、よりいっそう豊かになりますように。

「WHITE COFFEE 定期便」をぜひご検討ください!

心よりお待ちしております☺️

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