
コーヒーを愛する皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
「WHITE COFFEE 定期便」と一緒にお届けしている、ショートストーリー【私とコーヒーの物語】のご紹介です。
今回は、八杯目「お弁当」です。
ちょっとだけ他のことを忘れて、ほんのりくつろぎながら読んでいただけたら嬉しいです!
八杯目「お弁当」
毎日、娘の為に作り続けたお弁当。
今朝はお弁当作りではなくケーキを焼く。
いつの間にか日常の一部となっていたお弁当作りも、卒業と共に終わりを迎えた。
静かに思春期を迎え会話が減った時期も、初めての恋に夢中でご機嫌の時期も、コロコロと変わる表情を横目に応援と愛をこめて作り続けたお弁当。
毎朝起きてすぐコーヒーを飲み、キッチンに立った。
私にとってのコーヒーはガソリンだ。
彼女の成長を感じながら、自分の老いを感じ、年々早起きが堪えるようになっても、コーヒーを飲みギアを入れた。
今日、あなたは卒業をする。
この先どんな喜びや悲しみに出会い、どんな景色を見るのだろう。
卒業式が終わり、朝焼いたケーキでお茶をした。
ふいに渡された、小さな花束とメッセージカード。
〝ママの手が大好き。
ママの手は魔法の手だよ。
今までありがとう!〟
この皺の増えた、ささくれの絶えない、ゴツゴツの手を、あなたは大好きと言ってくれた。
こちらこそ〝ありがとう〟だよ。
私を母にしてくれた。
私を強くしてくれた。
あなたの小さな手を、ずっとずっと握っていたいと願っていた日々。愛おしい笑い声。
キッチンに飾られた花に目が止まる。
日常にふと訪れる、優しく温かなギフトのような1日。
こんな日に何度救われただろう。勇気をもらっただろう。
さあ、明日は何を作ろうか。
“母のお弁当”と言われて思い出すのは、お好み焼きです。友達には驚かれることもあったのですが、おかずとして入っているお好み焼きが大好きでした。なつかしいなあ〜…。
疲れを優しく包み込んでくれるような、とても温かいストーリーでしたね…。あの頃に戻って、母のお弁当が食べたい!と、心底思いました🥹
そして、皆さまのガソリンとして少しでもお役に立てたら光栄です!
ではでは…今後とも「WHITE COFFEE 定期便」をよろしくお願いいたします☕️
前回のショートストーリーはこちらから


WHITE COFFEE 定期便 2024年4月号でお届けした、ショートストーリー【私とコーヒーの物語】 をぜひお楽しみください!