コーヒーを愛する皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
「WHITE COFFEE 定期便」と一緒にお届けしている、ショートストーリー【私とコーヒーの物語】のご紹介です。
今回は、四杯目「おでん」です。
ちょっとだけ他のことを忘れて、ほんのりくつろぎながら読んでいただけたら嬉しいです!
四杯目「おでん」
我が家のクリスマスはいつもおでんだった。
成長し、クリスマスにはチキンを食べるらしいと何となく分かった時に、なぜうちではおでんなのかと母に尋ねた事があった。
父の好物で、2人が初めて一緒にクリスマスを過ごした時に食べたのが、おでんだったからだと教えてくれた。
一方父はというと、毎朝母の為にコーヒーを淹れる。
体調が優れなくても、夫婦喧嘩をしていても。
母が亡くなった今でも。母にコーヒーを供え、毎日を始める。
私は、そんな2人が、温かさが、自分を形成してくれたんだと感じる度に、どんなクリスマスプレゼントよりも貴いものを、もらい続けていると思う。
クリスマスが近づいた頃に、母さんのおでんが食べたいか父に尋ねると、
「そうだな〜…おでんかあ。
おでんが食べたいというか、
母さんに会いたいな〜。
うん…
母さんともう一回笑い合いたいんだ。」と。
今年のクリスマスも一緒におでんを食べようと思う。
父と笑い合おうと思う。
父の本当の願いを叶えてあげる事はできないけれど、私と母の愛が伝わることを願って…
おでん…いいですね…。
ふと、おばあちゃんが作ってくれた、砂糖たっぷりの厚焼き玉子を思い出してしまいました。
不思議な事に、何度自分で作っても絶対に同じ味にはならないんです!愛情という調味料って、本当に奥が深いですね。
ホワイトコーヒーに詰められた愛が、少しでも皆さまに届きますように…
ではでは…今後とも「WHITE COFFEE 定期便」をよろしくお願いいたします☕️
前回のショートストーリーはこちらから
WHITE COFFEE 定期便 2023年12月号でお届けした、ショートストーリー【私とコーヒーの物語】 をぜひお楽しみください!