今回ご紹介するのは「ベトナム・スターダラット」です!
朝晩の冷え込みが深まり、あたたかい飲み物が恋しくなる季節。そんな11月に届いたのは、🇻🇳ベトナムの高原で育まれた爽やかな一杯です。
高原の澄んだ空気の中で実った豆が生み出すのは、オレンジを思わせる明るい酸味と、すっきりとした甘みの調和。
やわらかな余韻とともに、ゆったりと流れる時間をお楽しみください☕️
スペック
☕️ 生産国: ベトナム
☕️ 生産地域: ダラット
☕️ 品種: カティモール
☕️ 精製方法: フルウォッシュド
☕️ 規格: G1
☕️ スクリーン: 16
☕️ 標高: 1,200〜1,300m
ダラット高原の特別な環境
ホーチミンから北東へ約300km。標高約1,500mのダラット高原は、美しいリゾート地でありながら、ベトナムでは数少ないアラビカ種の一大産地でもあります。
高地特有の涼しい気候と昼夜の寒暖差が、コーヒーチェリーをゆっくりと成熟させ、密度の高い良質な豆を育みます。
フルウォッシュド精製によって豆本来の風味がクリアに表現され、オレンジのような柑橘系の明るい酸味が際立ちます。
ベトナムコーヒーの新しい顔
「ベトナムコーヒー」と聞くと、多くの方が思い浮かべるのは、練乳を使った甘くて濃厚なアレンジコーヒーや、ロブスタ種の力強い苦味かもしれません。
実はベトナムは世界第2位のコーヒー生産国で、その生産量の9割以上をロブスタ種が占めています。ロブスタ種においては実質世界1位の生産量を誇る、まさにコーヒー大国です。
しかし今回ご紹介する「スターダラット」は、そんなイメージを覆すような、繊細で爽やかなアラビカ種のコーヒーなのです!
味わいと特徴
このコーヒーの魅力は、なんといっても爽やかなオレンジ系の酸味🍊
フルウォッシュド精製によるクリーンな味わいと、1,200〜1,300mの標高で育まれた豆の密度が、すっきりとした後味を生み出しています。
カティモール品種特有のしっかりとしたボディ感がありながら、決して重くない。むしろ、その飲みやすさが際立つコーヒーです。
朝の一杯として、リフレッシュしたい午後のブレイクタイムにもぴったりの、飲みやすい味わいをお楽しみください☺️
おすすめの淹れ方
お湯の温度は90℃前後で、ゆっくり丁寧に抽出してみてください。
爽やかな酸味を楽しみたい方は、やや浅めの抽出を。
甘みを引き出したい方は、ややしっかり目の抽出がおすすめです。
シトラス系の風味が感じられるので、オレンジやグレープフルーツなどの柑橘系フルーツと合わせると、味わいの相乗効果が楽しめます🍊
さあ、コーヒーを通じて味への感性が開いて行く感じがしませんか?
違いを感じながら、広大なコーヒーの世界をお楽しみください!
南国ベトナムの中でもダラットは高原の涼しさ!⛰️
今回の「スターダラット」に使われているカティモール品種について、少し掘り下げてみたいと思います。
カティモールは、1950年代にティモール島で発見された「ティモール・ハイブリッド」(アラビカとロブスタの自然交配種)と、カトゥーラ(ブルボンの変異種)を掛け合わせて生まれた品種です。
このユニークな出自により、カティモールは「さび病への高い耐性(ロブスタのDNA由来)」「コンパクトな樹形(カトゥーラの特性で密植栽培が可能)」「高い収穫量(生産者にとって経済的メリットが大きい)」という、生産者にとって非常にメリットの多い特性を持っています。
とはいえ、このカティモール、コーヒー業界では賛否両論のある品種なんです。
病害抵抗性と収穫量の高さから、20世紀終盤以降、アジア各地で急速に広まりました。インドネシア、中国、そしてここベトナムでも広く栽培されています。
一方で「純粋なアラビカ種と比べると風味が劣る」という意見も根強く、開発当初は病害抵抗性と収量性が最優先だったため、「世界のコーヒー市場を守ったが、品質を下げた」という厳しい評価もあったのです。
ベトナムで最も美しいとも言われるダラット駅🚉 (Photo by Polina Rytova on Unsplash)
しかし、可能性は無限大
ただ、私はこれは品種そのものの限界ではなく、栽培環境や精製、そして焙煎の工夫次第で大きく変わる部分だと思っています。
今回の「スターダラット」のように、適切な標高で栽培され、丁寧に精製されたカティモールは、オレンジのような爽やかな酸味と飲みやすさという素晴らしい個性を発揮します。
カティモールには「味が重い傾向がある」「濁りがある」という評価もありますが、それは栽培条件や処理方法に起因することが多いのです。良質な栽培環境と丁寧な精製を経たカティモールは、むしろ甘さを軸にした果実感を持つことから重宝され、アジア中に広まったという背景があります。
ベトナムは長年、ロブスタ種の大量生産国という印象が強い国でした。
しかし近年、ダラット高原を中心に、高品質なアラビカ種の生産に力を入れています。
病害に強く、高地での栽培にも適したカティモールという品種があるからこそ、ベトナムのアラビカコーヒーの未来が開けているのです。
2024年には、ベトナム産のコーヒーがアラビカ・ロブスタ両方の部門で国際的な賞を受賞するなど、品質向上への努力が実を結び始めています。
世界第2位のコーヒー生産国が、量から質へと舵を切る。これは、コーヒー業界全体にとっても非常に興味深い変化だと感じます。
今回の「スターダラット」を飲みながら、ベトナムコーヒーの新しい挑戦に思いを馳せていただければと思います!
いつも、最後まで読んでくれてありがとうございます!
それでは、今回の「PLUS ONE COFFEE」を引き続きお楽しみください。
そして、メッセージもお待ちしております!🙏
2025年11月にお届けした「PLUS ONE COFFEE(プラスワンコーヒー)」をご紹介します💁