【私とコーヒーの物語】 五杯目「願い」 | WHITE COFFEE(ホワイトコーヒー)

ホワイトコーヒー的なコーヒーの愛し方を語らせてください🥰
2024/05/02

【私とコーヒーの物語】 五杯目「願い」

WHITE COFFEE 定期便 2024年1月号でお届けした、ショートストーリー【私とコーヒーの物語】 をぜひお楽しみください!

コーヒーを愛する皆さま、いかがお過ごしでしょうか?

「WHITE COFFEE 定期便」と一緒にお届けしている、ショートストーリー【私とコーヒーの物語】のご紹介です。

今回は、五杯目「願い」です。
ちょっとだけ他のことを忘れて、ほんのりくつろぎながら読んでいただけたら嬉しいです!

 

五杯目「願い」

 

 

父の実家は餅屋だった。

餅屋の年末は忙しい。お供え餅・のし餅を新年に向けて準備し配達をする。

その為に親類が集まり、手伝う。幼い頃はいとこ達と遊んで過ごしたが、10歳ごろに配達の手伝いに参加できるようになると、自分の成長を誇らしく感じたものだ。

 

 

僕に初めて〝責任〟というものを教えてくれた大切な場所も、大学を卒業する頃には店はたたまれ、今では親類に配る分だけを叔父がつく。

 

 

配達が終わると叔母がコーヒーを淹れてくれた。

冷えた身体に沁み渡り、心まで温めてくれる。

大晦日は宴会があり、元旦の朝は筋肉痛と二日酔いに苦しむ。

そんな朝を救ってくれたのも叔母のコーヒーだった。

時々フラッと遊びに行った時にも、結婚の報告に婚約者を連れて訪れた時にも、そこには叔母のコーヒーがあった。

 

 

新年を迎え、

叔母の淹れるコーヒーの薫りが漂う時が好きだった。あー…今年も頑張ろうと。

 

 

その思い出はどこまでも優しく、温かく、

心が冷え切った日に、孤独を楽しめない日に、僕をそっと支えてくれた。

希望と優しさに満ちた朝。

もう戻ることは出来ない朝。

どんなに望んでも決して届かない日々。

 

 

新年を迎える。

そして願う。今年もあの時と同じ願い。

どうか、今この瞬間を精一杯生きられますように。

過ぎた日々を糧に、今をめいいっぱい生きられますように…

強く、のびやかに。

 

 

 

2024年が始まり、早いもので5月を迎えました。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
新年を迎えた際に食べたお雑煮が、故郷が、恋しい今日この頃です😢

初詣や新年に願った皆様の願いが、叶いますよに…今という一時を少しでも楽しんでいただけますように…

引き続き「WHITE COFFEE 定期便」をよろしくお願いいたします☕️

 

前回のショートストーリーはこちらから

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さまのコーヒーライフが、よりいっそう豊かになりますように。

「WHITE COFFEE 定期便」をぜひご検討ください!

心よりお待ちしております☺️

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